将棋の話― 観る将ファンの為に ― 


  第9局 将棋は完全情報ゲーム



 将棋は、完全情報ゲームなんです。
 相手の持駒や指し手が、全部見えてる。    

 麻雀は、相手の手牌が見えないし、山に何の牌が在るか見えない。

 裏ドラも、勿論、わからない。

 麻雀は不完全情報ゲームなんです。
 そして、配牌には運不運がある。      

 だから、素人が、プロに勝つことがある。


 しかし、将棋は、素人がプロに勝つことは無い。(本当は有りますが・・・)


 この将棋の世界でも、トップレベルになると、実力伯仲する。

 まあ、どんな世界でも、実力伯仲すると、技術力以外の勝負となる。

 精神力、体力、等々 ・ ・ ・

 それでも、拮抗すると、人間観察力が重要になる。


 この人間観察力に秀でていたのが、故・大山康晴十五世名人。

 しかし、これを活用したのは、晩年。


 やはり、若い時は、技術力・精神力・体力を鍛えるのに精進していた。

 藤井聡太三冠(王位・棋聖・叡王)も、今は、盤面しか見ていない。

 王道を歩いていますね。


 但し、麻雀のような不完全情報ゲームでは、この人間観察力は後回しに出来ない。

 (ちなみ)に、世の中は、不完全情報ゲームです。

 社会生活をより良く生きて行こうとするなら、人間観察力は、最初から重要となります。


【語彙説明】

 完全情報二人零和(ぜろわ)ゲーム ・・・ 将棋、囲碁、チェス、オセロは「完全情報二人零和ゲーム」であり、このゲームは必勝法があると言われている。従って、麻雀は完全情報ではないので、必勝法も無いのである。


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