― 観る将ファンの為に ―
第7局 (続)杉本師匠は世界一
聡太君がデビュー2年目の頃(平成29年、2017年)、グッズに行列が出来て完売続出だった。
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師匠の杉本七段(当時)は、「並んで買った」と照れ笑いしていた。(註解)
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〔 右: 師匠の杉本七段 〕
扇子も完売で手に入らず、聡太君の自宅に電話して、なんとか1本だけ分けて頂いたそうだ。
本当は何本も欲しかったそうだったのだが、師匠の特権で貰う訳に行かない、と苦笑していた。
私は、この話を聞いて、将棋ファンになって良かったなあ、
と熟(つくづく)感じた。
普通、サラリーマンの世界なら、師匠に抵(あ)たる上司や先輩が、
「 おい!明日、扇子10本持って来い! 」
と、簡単に聡太君に言付けるところなのだ。
「 俺は聡太君の・・・」と自慢できたら、そりゃ気持ち良かろう。
自分の価値が上ったかのような錯覚に陥る。
どうせ呑み屋の姉ちゃんに配るクセに!(笑)
聡太君は、ただでさえ学業がある上に、マスコミの取材攻勢で寝る暇もないんじゃあないかと心配する状況だ。
将棋関係者だけでなく、親戚やら幼馴染やら、皆が、私利私欲の頼みごとをすればどうなるか?
大事な対局どころではなくなる。
対局は、普通1日に1局、週1回程度指すが、その準備(研究)に何日もかかるのである。
しかも、持時間5時間以上の対局になると、翌日何もしたくなくなる程、疲れるそうだ。
師匠の「並んで買った」は、これらを全て断ち切った。
だからこそ、師匠の存在価値があるのだ。
私は、心震えた。
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【註解】
AbemaTVの将棋チャンネル 『若手VSトップ棋士 魂の七番勝負』
第3局 行方尚史八段 vs 藤井聡太四段(当時) の解説での師匠・杉本七段の談話。
平成29年(2017年)10月14日 初回放送。
【プロフィール】
〇杉本昌隆 八段(すぎもと まさたか) 将棋棋士
昭和43年(1968年)11月13日生。現在52歳。愛知県名古屋市出身。
師匠:(故)板谷進九段
四段昇段:平成2年(1990年)10月1日
藤井聡太四段の師匠として注目を浴びている。
〇藤井聡太 将棋棋士。現在、王位・棋聖・叡王の三冠を保持。
藤井聡太(ふじい そうた)。(詳細 wikipedia) 令和3年10月1日現在
平成14年(2002年)7月19日生。現在19歳。愛知県瀬戸市出身。
平成28年(2016年)に史上最年少(14歳2か月)で四段昇段(プロ入り)を果たす。
四段デビューから無敗で公式戦最多連勝記録(29連勝)を樹立。
平成29年度(2017年度)、全棋士参加の一般棋戦「第11回 朝日杯」で史上最年少優勝。
15歳9か月で最年少七段に昇段。
令和2年度(2020年度)タイトルの棋聖位を史上最年少で奪取。
さらに勢いに乗って王位のタイトルも獲得。
タイトル2期獲得の規程により18歳1か月、史上最年少の八段昇段を果たした。
令和3年度(2021年度)タイトルの棋聖位を防衛。
タイトル3期獲得の規程により史上最年少記録となる18歳11か月での九段昇段を決めた。
第62期王位戦での豊島将之との七番勝負で4勝1敗で王位防衛。
第6期叡王戦での豊島将之との五番勝負で3勝2敗で叡王獲得。
史上最年少、19歳1か月でのタイトル三冠を達成した。
竜王戦は、第30期6組から参加して、ランキング戦に措いては未だ無敗(通算24戦24勝0敗)。
毎年、優勝し昇級。5期連続優勝は史上初。
しかし、決勝トーナメントでは、毎回2戦目位で敗退していたが、第34期では、挑戦権を得た。
順位戦は、第76期C級2組から参加して、C級1組の1期目で1敗したものの、B級2組終了時点で、
通算30戦29勝1敗。今期(第80期)はB級1組で戦って、現在、5勝1敗で、暫定順位3位。
デビュー前からプロ棋士間で注目を集めていた。
名うてのプロ棋士も参加する「詰将棋解答選手権」に措いて、全問正解で史上最年少優勝を記録したからだ。
(平成27年(2015年)、第12回大会、小学校6年生、12歳)