将棋の話― 観る将ファンの為に ―


  第5局 棋士の気質 その4



 (さて)、将棋連盟と棋士は、どんな関係か?

 簡単に言うと、棋士は個人商店。(税金は個人の青色申告)

 将棋連盟は、その組合みたいなものである。


 お(さら)いをする。

 棋士は、我々サラリーマンと違う。

 棋士同士はライバル、敵であるから、基本的に、仲良くする方向にない。

 将棋会館へ出勤するのは年間30日程度。

 同じ相手との対局になり易く、よく顔を合わす相手は、十数人程度。

 その上、一切喋らないのである。


 畢竟(ひっきょう)、棋士の気質とは、

 棋士同士、交流は少なく、お互いのプライベートを知らない。一匹狼なのである。

 これはライバル関係である以上、必然なのである。


 なんとなく、将棋界の空気をお感じ頂けたら幸いです。


【解説】

○羽生さん・・・将棋棋士・羽生善治永世七冠のこと。

  羽生善治(はぶよしはる)のプロフィール。(詳細 wikipedia

  将棋界が実力制になって約80年、史上最強の棋士。

  将棋界七大タイトル(名人・竜王・王位・王将・王座・棋聖・棋王)の全て永世称号を有する。史上唯一人。

  タイトル獲得数99期は歴代最多。通算対局数は2000局を超え、通算勝利数も歴代最多の1434勝(更新中)。

  そして、何より史上最強の根拠は、通算勝率が7割を超えていることだ。

  タイトルを1期獲得することもできない棋士が8割。1年間だけ勝率7割を記録することも困難な中、この実績である。

  藤井聡太君(棋聖・王位)が将来羽生さんを抜く可能性は大いにあるが、最速でも15年以上先の話である。


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