― 観る将ファンの為に ―
第4局 棋士の気質 その3
棋士の対局相手は、大体、限られているのだ。
上位棋士は上位棋士と対戦が組まれ、下位棋士は下位棋士同士と当たる。
藤井聡太君みたいに、勝ち
例えば、羽生さんが30歳、当時五冠(棋聖・王位・王座・王将・棋王)。
平成12年、史上最多対局の89局で、30人との対戦。
うち、一番多いのは、谷川浩司九段で、なんと23局。
要するに、羽生さんの年間の相手は、初対戦の人を除くと、20人程度なのである。
同じ相手と何度も対局している。
これは、どの棋士も、大体同じ。
すなわち、棋士は、160人中、1割位しか、顔を会わせないのだ。
羽生さんは、長く将棋界の顔、スーパースターであったから、取材応答、講演、著書執筆、免状の署名やら等々、忙しい。
年間最多89局のうち40局以上は、タイトル戦などで、将棋会館で対局していない。
要するに、対局相手の棋士以外と顔を合せることがないのだ。
羽生さんの友人または懇意な人は、棋士以外の職業に多いかも知れない。
加えて、対局中は、真剣勝負なので、会話しない。
会話をするのは、対局後の感想戦だけ。
「昨夜は巨人が負けましたな~」なんて、世間話などする筈もない(笑)
だから、羽生さんだけでなく、聡太君の記録だとか、勝敗のことなど、
これだけテレビで連日連夜報道されていても、興味がないのだ。
我々、ファンの方が遥かに知っている。
<続く・・・>
【解説】
○羽生さん・・・将棋棋士・羽生善治永世七冠のこと。
羽生善治(はぶよしはる)のプロフィール。(詳細 wikipedia)
将棋界が実力制になって約80年、史上最強の棋士。
将棋界七大タイトル(名人・竜王・王位・王将・王座・棋聖・棋王)の全て永世称号を有する。史上唯一人。
タイトル獲得数99期は歴代最多。通算対局数は2000局を超え、通算勝利数も歴代最多の1434勝(更新中)。
そして、何より史上最強の根拠は、通算勝率が7割を超えていることだ。
タイトルを1期獲得することもできない棋士が8割。1年間だけ勝率7割を記録することも困難な中、この実績である。
藤井聡太君(棋聖・王位)が将来羽生さんを抜く可能性は大いにあるが、最速でも15年以上先の話である。