その4
次に律詩を例詩「春望」で説明します。
律詩は、全八句で構成され、二句を一つにまとめて「聯」という単位で呼びます。
第一・第二句を「首聯」、第三・第四句を「頷聯」、第五・第六を「頸聯」、第七・第八句を「尾聯」と呼びます。
なお、「首・頷・頸・尾」の聯は、それぞれ絶句の「起・承・転・結」の句に該当します。
〔原文〕
春望 杜甫
(首聯)
國破山河在
城春草木深
(頷聯)
感時花濺涙
恨別鳥驚心
(頸聯)
烽火連三月
家書抵萬金
(尾聯)
白頭掻更短
渾欲不勝簪
<読み下し文、現代口語訳は、こちら>
【説明】
平仄を○と▲で表すと、次の様になります。
1 2 3 4 5 1 2 3 4 5
(一) 國破山河在 ▲▲ ○○▲
(二) 城春草木深 ○○ ▲▲◎
(三) 感時花濺涙 ▲○ ○▲▲
(四) 恨別鳥驚心 ▲▲ ▲○◎
註:第三句と第四句は必ず「対句」
(五) 烽火連三月 ○▲ ○○▲
(六) 家書抵萬金 ○○ ▲▲◎
註:第五句と第六句は必ず「対句」
(七) 白頭掻更短 ▲○ ○▲▲
(八) 渾欲不勝簪 ▲▲ ▲○◎
註:◎は押韻
五言律詩も、平仄は五言絶句と同様に各句の二字目と四字目は「
押韻は偶数句の句末でします。
また、第三句と第四句、第五句と第六句は、「対句」になっています。
<「その5」へ続く>
【解説】
〇詩の形式による分類
詩には、句数と字数が決っている定形の詩と、そうではない詩があります。
定型詩は、
近体詩は、「
近体詩以外の詩は
〇「
絶句や律詩の近体詩に、平字と仄字が規則的に配列することを言います。
「
また、韻を踏むことを「
〇詩の数え方。
一首、二首と「
長編の場合は一篇、二篇と「
〇
詩は、行ごとに示すと分かり易いので、行ごとに改行します。
その行のことを「
一句が五字でできているものを