~ 句のリズム ~
漢詩は、一句にただ五字・七字と漢字がならんでいるのではありません。
平仄の規則で、五言詩では二字目と四字目の平仄が変ります。
また七言詩では二字目と四字目と六字目の平仄が互いに違いに入れ替わります。
つまりその平仄の変る所でリズムが生れる、ということです。
簡単に言うと、五言詩では「二字・二字」、七言詩では「二字・二字・三字」のリズムで、意味的にも五言では「二・三」、七言では「二・二・三」となります。
なお最後の「三」(下三字)の部分は、意味的に「一・二」または「二・一」のようになります。
この規則を李白の『秋浦の歌』と『贈汪倫』で見てみましょう。
〔五言絶句〕 秋浦の歌 李白
1 2 3 4 5
(一) 白髪 三千 丈
(二) 縁愁 似箇 長
(三) 不知 明鏡 裏
(四) 何處 得秋 霜
〔七言絶句〕 汪倫に贈る 李白
1 2 3 4 5 6 7
(一) 李白 乘舟 將欲 行
(二) 忽聞 岸上 踏歌 聲
(三) 桃花 潭水 深千 尺
(四) 不及 汪倫 送我 情
第二字、第四字、第六字のところで規則正しく平仄が変ることにより、一定のリズムが生れます。
また、五言詩では「二字・二字」、七言詩では「二字・二字・三字」で意味がまとまります。
<『秋浦の歌』の読み下し文、現代口語訳は、こちら>
<『汪倫に贈る』読み下し文、現代口語訳は、こちら>
【解説】
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