汪倫に贈る(おうりんにおくる)   作:李白


【還暦ジジイの説明】





【原文】


   贈汪倫   李白


  李白乘舟將欲行

  忽聞岸上踏歌聲

  桃花潭水深千尺

  不及汪倫送我情


【読み下し文】


  汪倫(おうりん)に贈る   李白


 李白(りはく) 舟に乗りて (まさ)に行かんと(ほっ)

 (たちま)ち聞く 岸上(がんじょう) 踏歌(とうか)(こえ)

 桃花(とうか) (たん)の水 深さ千尺(せんじゃく)

 (およ)ばす 汪倫(おうりん)の我を送るの(じょう)


【現代口語 意訳】


 私、李白は、今まさに船にのって出発しようとしている。

 そのとき岸辺から、足踏みをしながら歌う声が聞こえてきた。

 (李白を見送るために、汪倫と村人が歌っている)

 桃花潭の水の深さは千尺と言う

 しかし、汪倫が私を見送ってくれている情の深さには及ばない。



【解説】


 形式は、七言絶句。    行・聲・情は韻を踏んでいる。

 作詩された時代は、盛唐(西暦712~765年)。


【語彙説明】


○桃花潭(とうかたん) ・・・ チャイナの安徽省(あんきしょう)にある淵の名勝。

○将欲(まさに~とほっす) ・・・ いま~しようとしている

○忽聞(たちまちきく) ・・・  ふと聞こえてきたの意味


【プロフィール】

○汪倫(おうりん) ・・・ 安徽省涇県(あんきしょうけん)にある桃花潭に住む李白の友人



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