色厲而内荏   『論語』  陽貨篇






 『論語』  陽貨篇


【原文1】


 子曰、色厲而内荏、譬諸小人、其猶穿窬盗也與。


【書き下し文1】


 子曰(しいわ)く、色厲(いろはげ)しくして内荏(うちやわ)らかなるは、(これ)を小人に(たと)うれば、()()穿窬(せんゆ)(とう)のごときか。


【現代口語訳1】


 孔子がおっしゃった。

 外面は威厳があるように見せて、内側がなよなよしているのは、小人に譬えるなら、コソ泥のようなものだ。

 常に見破られるのを怖れている。


【還暦ジジイの意訳】


 威厳が見せかけだけの軟弱な輩は、ビクビクしているコソ泥のようなものだ。


【原文2】




【書き下し文2】



【現代口語訳2】







【語彙説明】

○色(いろ) ・・・ 容貌。うわべ。

○厲 ・・・ 「厲(れい)にして」とも訓読する。はげしい。きびしい。威厳がある。

〇内 ・・・ 内心。

〇荏 ・・・ 「荏(じん)なるは」とも訓読する。柔らかい。怯弱。意志が弱い。だらしがない。

〇小人(しょうじん) ・・・ 度量や品性に欠ける人間。つまらない人間。大人(たいじん)の対義語。

〇穿窬之盗 ・・・ 壁を破り、掘りを越えて忍び込む、コソ泥。「穿」は、壁に穴をあけること。「窬」は、垣根を乗り越えること。


【出典】 『論語』 陽貨篇 第十七

【参照】????『新釈漢文大系 第1巻』「論語」 吉田賢抗・著 明治書院  平成元年7月10日 改訂27版発行

【出題】 漢検 準1級


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