2022年3月14日 0:59:00

  将棋の話― 観る将ファンの為に ― 


 第14局 聡太君、史上最高勝率でA級昇級!愈々、名人位挑戦へ!



 3月9日、聡太君が、順位戦最終回戦に勝って、A級昇級を決めました!

 それも!

 順位戦、史上最高勝率でのA級昇級!

 パチ!パチ!パチ!(拍手)

 史上最高勝率のことは、どこの新聞にも書かれていません。


 なに、当然だろ、とか、

 順当勝ちじゃないか、など、

 そう仰る御仁もいらっしゃるでしょうが、

 いや、いや、そう簡単じゃなかったんですよ~

 最終13回戦に負けていたら、昇級できていなかったんです。

 薄氷を踏む思いだったんです!

 ファンは!

 まあ、本人は平気だったかも知れませんが・・・

 あはははは


 3年前のC級1組で、1敗した為に連続昇級が途絶え、ファンはこの世の終わりかの様な悲鳴を上げました。


 でも、冷静に先輩達の成績を調べてみましょう。

 過去最短の4期(4年)でA級に上がったのは、加藤と中原。

 加藤は、史上最年少A級記録(18歳3ケ月)も持ちます。

 では、この2人、毎年全勝していたのか?


 いえ、いえ、そうじゃない。

 加藤 8敗、中原 5敗、も、しているのです


 そう!

 こんなに負けてたら、現在の順位戦では、連続どころか、昇級すら出来ません。


 よって、聡太君の目標とすべきは、A級まで史上最高勝率で上がることだったんです。

 これを今期、見事、成し遂げたのです!

 パチ!パチ!パチ!(拍手)


 過去最高は、中原十六世の49戦 44勝 5敗 勝率0.898

 聡太君は、52戦 49勝 3敗 勝率0.942


 これは、毎年連続昇級以上の価値です!


 そもそも、加藤や中原の時代と、棋士の総数が2倍以上違う。

 加藤や中原の時代は、棋士総数60~70名程度。

 対して、現在、約170名居るのです。(フリークラスを含む)


 そして、棋士のレベルは年々高くなっている。

 将棋の技術も随分と進歩した。

 谷川九段で、5期。羽生さんですら7期。渡辺名人で10期かかっています。

 この環境で聡太君は、僅か5期、史上最高勝率でA級昇級したんですよ。

 とてつもない記録です。


 では、次なる目標は何か?

 それは、谷川浩司の持つ21歳、最年少名人です。

 これを塗り替えて貰いたい。


*-----------*

【参照】

 



【プロフィール】  令和4年(2022年)3月10日現在

○聡太君・・・将棋棋士・藤井聡太 五冠(竜王・王位・叡王・棋聖・王将)のこと。現在19歳。愛知県瀬戸市出身。

 藤井聡太(ふじい そうた) (詳細 wikipedia

  平成28年(2016年)に史上最年少(14歳2か月)で四段昇段(プロ入り)を果たす。
  歴代5人目の中学生棋士。
  四段デビューから無敗で公式戦最多連勝記録(29連勝)を樹立。
  平成29年度(2017年度)、全棋士参加の一般棋戦「第11回 朝日杯」で史上最年少優勝。

  15歳9か月で最年少七段に昇段。
  令和2年度(2020年度)タイトルの棋聖位を史上最年少で奪取。
   さらに勢いに乗って王位のタイトルも獲得。
   タイトル2期獲得の規程により18歳1か月、史上最年少の八段昇段を果した。

  竜王戦は、第30期6組から参加して第34期2組まで、ランキング戦に措いては無敗(通算24勝0敗)。毎年、優勝。
  第34期では、念願の決勝トーナメントでも優勝し、挑戦権を得た。
  そして、豊島竜王に挑戦し、4連勝で竜王位を奪取。史上最年少の四冠となった。

  第71期王将戦七番勝負で渡辺明王将(名人・棋王)を4連敗で下し、タイトル奪取。
  史上最年少王将位、史上最年少五冠となった。

  順位戦は、第76期C級2組から参加して、C級1組の1期目で1敗しただけでB級1組まで駆け登った。
  しかし、今期(第80期)、このクラスは強者揃い。2敗を喫した。
  最終13回戦に勝って10勝2敗で、辛うじてA級昇級を果たした。
  これで順位戦通算 52戦 49勝 3敗。
  来期、A級で優勝すれば名人挑戦。奪取すれば、谷川浩司九段の記録を抜く史上最年少名人である。

  彼は、デビュー前からプロ棋士間で話題になっていた。
  それは、名うてのプロ棋士も参加する「詰将棋解答選手権」に措いて、全問正解で史上最年少優勝を記録したからだ。
  (平成27年(2015年)、第12回大会、小学校6年生、12歳)



○加藤一二三 九段(引退)

  昭和15年(1940年)1月1日生、現在82歳。

  昭和33年(1958年)4月1日、八段。最年少A級18歳3ケ月。

  そのまま20歳最年少名人挑戦。しかし、大山名人に敗れる。

  通算タイトル獲得数8期、一般棋戦優勝回数23回。


○中原誠 十六世名人(引退)

  昭和22年(1947年)9月2日生、現在74歳。

  昭和45年(1970年)4月1日、八段。当時22歳6ケ月。

  当時24歳最年少名人、通算タイトル獲得数64期(歴代3位)、一般棋戦優勝回数28回。


○谷川浩司 十七世名人、現役。

  昭和37年(1962年)4月6日生、現在60歳。

  21歳史上最年少名人、通算タイトル獲得数27期、一般棋戦優勝回数22回。


○羽生善治 永世七冠、現役。

  昭和45年(1970年)9月27日生、現在51歳。

  史上初の全七冠同時制覇(25歳)。通算タイトル獲得数99期、一般棋戦優勝回数45回。十九世名人。永世七冠。


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