ちょっと一服  その97 女神のお灸              2024.11.4


 ワールドシリーズはドジャースの優勝で幕を閉じました。

 決着した第5試合。

 ヤンキースの敗北は、3つのエラーが引き金でした。

 あれは、女神が、ヤンキースにお灸を据えたんです。


  


 あははははは


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 大谷翔平は、とうとう夢を叶えましたネ。

 開幕早々、色々あって、マスコミに揶揄(やゆ)され、精神的に参っていたにも拘わらず・・・

 唯々(ただただ)、心から祝福するだけです。

 本当に!おめでとう!!


 ところで、ワールドシリーズが決着した第5試合は、球史に残りました。

 ヤンキースは、5回表の3つのエラーが引き金となって、敗れました。

 しかし、敗因は、前日の第4試合、ヤンキースファンのあの蛮行ですよ。


 


 一見関係なさそうですが、この蛮行を擁護したヤ軍のアレックス・バードゥーゴ選手の記者会見が象徴しています。


 


 見解を求められたバードゥーゴ選手は

 「あれがニューヨークなんだ。ここではああしたユニークなものが期待されている

 と回答。


 へーっ!

 ベッツ選手が怪我しても?

 もし、貴方の息子さんが、選手に成って、同じ目に遭っても?

 あんなファンは街中(まちなか)でも悪さする。貴方の娘さんが、夜道で、悪戯(いたずら)されても、平気なんですか?

 と訊きたい。

 他人を思い遣る気持ちフェアープレー精神が、全く欠けている。

 明かに傲慢(ごうまん)さが(にじ)み出ていますよね。

  大谷翔平は、幼い頃から「チームメイトを思い遣る」「対戦相手へも敬意を払う」と教えられ、染み付いている。
  だから、意識することなく、極しぜんに謙虚さが表出されている。


 ヤンキースには、「チームの為に」とか、「球界のために」なんて精神は全く無い、ことが伺えます。

 心底には、「自分の為だけ」しか無い。


 それが、3つ目のエラーだった。

 まあ、「エラー」と言うより「怠慢」、否、「油断」が適切でしょうか。

 コール投手が一塁カバーに入らなかった、あのプレーです。

 あれに終結した。


 5回表、ジャッジの落球に始まり、ボルぺの悪送球で無死満塁になった。

 しかし、ここから流石コール投手です。

 サイヤング賞、MLB屈指の投手だけのことはある。

 動じることなく、ラックス、大谷を三振に切って取って2アウト。

 そして、ベッツを一塁ゴロに、打ち取った・・・、と、思った。


 コール投手の心境は、こうです。

 「どいつもこいつもエラーしやがって!どうだ、俺様が無死満塁の窮地を救ってやったぞ!

 おい!(一塁手)リゾ!お前で間合うだろ!俺の仕事はここまでだ!


 だったんですね。きっと。

 コール投手は、一塁のカバーを途中で止めた。

 「なんで俺がそこまで(一塁まで走る)しなきゃあならないんだ?!」

 っていう気持ちが、足を鈍らせた。

 「チームの為に」っていう気持ちの欠如の現れだと思います。

 その点、ドジャースは違う。フリーマンが、息子のマックス君の病気で欠場している間、チームメイトは 「#MAX STRONG」のTシャツを着ていた。
 復帰したフリーマンは、感激。その後、右足を捻挫したが、出場した。このフリーマンを助ける為に、一塁側凡打のときは、投手は皆、走った。
 これ以外にも、チームメイトを思い遣る逸話が数々ある。



 だから、3つ目の「エラー」は、「怠慢」でもなく、「油断」でもない。

 「チームのために」の精神を欠いた「傲慢」。

 この「傲慢」に女神が怒り ・・・ 悲劇を招いた。(笑)


 前の2つのエラーが無ければ、コールも一塁へ走っていただろう。

 2つのエラーがあったればこそ、「俺の仕事はここまでだ!」という傲慢さが顔を出した。


 (あまつさ)え。

 一塁へ走っているのは、昨日、被害にあったベッツ選手

 凡ゴロを打たされたけれども、懸命に走った。

 前日の怒りと悔しさが後押ししたんですね。


 だ・か・ら ・・・・・ ベッツはセーフになり、ヤンキースは敗れた!

 ねっ!繋がったでしょう(笑)

 自由の女神はヤンキースとファンにお灸を据えたんですよ。


  


 あはははは


**********

【詳細】

 2024年 MLBワールドシリーズ 第5試合

 日本時間2024年10月31日(現地30日)開催

 ヤンキース 対 ドジャース

 6対7で、ドジャースの勝ち。

 ドジャースはシリーズ4勝1敗で、ワールドチャンピオンとなった。


 ポストシーズンが始まる前、ドジャースが勝ち進むと予想するマスコミは、皆無だった。

 故障者が続出したド軍は、パドレスに負けるだろう。そして、パドレスかフィリーズがワールドシリーズ進出するだろう。

 そして、運良く、ドジャースがワールドシリーズに登場できても、ヤンキースに勝てないだろう、と。


 ところが、ぎっちょん、大方の予想を全部、覆して、優勝しちゃった。(笑)

 多分、チームの結束力が勝因じゃあないかなあ~


 


 さて、第5試合。

 前日勝って1勝3敗としたものの、後の無いヤンキース。

 第5試合に、サイヤング賞投手コールを先発させて必勝を期した。

 コールは4回まで完璧。その上、5点まで貰った。

 誰もヤンキースの勝ちを疑わなかった。


 ところが・・・

 ここから信じられない様な事が起った。

 ヤンキースは、3つの守備エラーを連発した。


 ニューヨークのマスコミは、1つ目のエラーをしたアーロン・ジャッジ外野手を散々叩いていますが、それはお門違い。


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 ジャッジは、レギュラーシーズン中、一度もエラーをして居ないんですよ。

  通常、ゴールドグラブの外野手の年間エラー数は、0~3個です。ジャッジは守備範囲が狭いからGGには選ばれないけど、グラブ捌きは上手い。

 だから、偶々(たまたま)だったんです。これを責めるのは、酷でしょう。


 2つ目のエラーは、遊撃手のアンソニー・ボルぺ。


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  ボルぺは、レギュラーシーズン中、16個のエラーをしていました。

  と、なると、彼は責められても仕方ないかも知れませんね。

  もうちょっと、練習せんかいッ!ってね。

   通常、ゴールドグラブの遊撃手の年間エラー数は、6~12個です。
    但し、内野手の場合、30個でも名手は居ます。それは一塁手の巧拙が大きく関係します。



 3つ目のエラーは、一塁のカバーに入らなかった投手のゲリット・コール。

   記録上は内野安打ですが、明かなコールの怠慢。


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 コールがカバーに入らなかったのは、一塁手のリゾで間合うと判断したから。

 そう。

 もし、打者がベッツでなく、例えば自軍のジャンカルロ・スタントンとか、昔居たロビンソン・カノーとか、

 或いは、各チームの太った指名打者とか、だったら、アウト。

 ところが、ベッツは足が速い。

 この判断の誤りは、エラーと非難されても仕方ないでしょう。

 この後、悪夢の5失点を招いた。


 3つのエラーが、重なった為に、悲劇が起った。

 じゃあ何故、重なったのか?

 発端は、全て、前日のヤンキースファンの蛮行。

 そして、バードゥーゴ選手の発言。

 一見関係なさそうですが、根本原因が背景にあるのは、前述した通りです。


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 これじゃあ、ヤンキースは永遠にワールドシリーズで優勝できません。

 もし、間違って優勝しても、尊敬されません。


 こんなチームが、いくらシャンパンファイトで、歓喜して居るように映っても、空疎なものです。

 ただ、頭の悪い男らが騒いでいるだけ。

 醜い!!


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