ちょっと一服  その102 臍(ほぞ)を噬(か)む その2             2025.1.27


約三十年前、東京出張から帰阪の新幹線で、超有名なベストセラー作家と隣席した、と、昨日書いた。

この作家は誰か?

推理作家なので、答えは次回、としたのだが・・・

ヒントは文中にあり。

一つ目は、「京都下車」。

二つ目は、「黒革の手帳」。

三つめは、「鉄道ミステリー小説の作家」。


まあ、茶の間のミステリーファンなら一発で当てられるだろう、と、私はニンマリと北叟笑(ほくそえ)んでいた。

ところが、記事をアップした後で気付いた。

「黒革の手帳」は、間違いだったのだ。

「黒革の手帳」の作家は、松本清張!

ギャーッ!仕舞ったぁ~!

肝心な箇所なのに~、修正の仕様がない。

と、思っていたら・・・


友人が「もしかして西村京太郎?」と、メールして来た。

ギャーッ!正解!!

なんで当たるの?

間違ったヒントを出しているのにィ~!

友人(いわ)く。

「鉄道ミステリー作家」と書いてあったので・・・

とのこと。

相当に有名なんですねえ~

間抜けな私のヒントに関係なく、無事、正解!!

あははは


友人続けて曰く。

しかしわざわざ手帳出して書いて示すなんて、、(笑)(笑)

西村京太郎って書いたんですか?(笑)

私:ええ、(てのひら)より大きいサイズの手帳の1ページに。五文字で縦書き、読み易いように楷書(かいしょ)で大きく。

面白いですよね。だって向こうからしたら、、わざわざ名乗らなくてもいいのにねぇ~(笑)

超有名人なのに(笑)

水戸黄門のように印籠(いんろう)出して、、、。

可哀想に。

印籠出してひれ伏さなかったら悲しいですよね~(笑)



 


  



そこから会話が始まったのになぁー。

こんなチャンスは、、、もったいないなぁー(笑)


と、友人は残念がるんです。

ホントにそうだなあ~、と、私も、この歳になって気付いた。

最近まで、私は、(くだん)の作家を(いや)な奴だとしか思ってなかった。

ところが、この友人と付き合うようになって考え方が変わった。

なんと愚かなことを、私は、したのかっ!

と。

大袈裟(おおげさ)に驚いて、笑いを誘えば良かったのだ。

一時的な怒りの感情で、お互いに気分悪くしただけ。

何一つ良いことはない。


一期一会(いちごいちえ)」という四字熟語を知っていても、本当の意味を理解していない。

実感していない。

だから、何一つ実践出来ない。

短い人生で、誰かと会う機会は、(わず)か一度きり。

その機会を良いもに出来るか?

嗚呼(ああ)


しかし、

この友人と出会えたのが正に「一期一会」!

それを(とら)えられたのは、私の人生における大ホームランだ!

感謝!!




 そのイチゴと、ちゃうがな!!


【語彙説明】

〇臍(ほぞ)を噬(か)む ・・・ <『春秋左伝』荘公六年から。自分の臍(へそ)をかもうとしても及ばないところから>

 後悔すること。すでにどうにもならなくなったことを悔やむこと。

〇噬(か)む ・・・ かむ。かみつく。くう。食いつく。

〇北叟笑む(ほくそえむ)・・・うまくいったことに満足して、一人ひそかに笑う。

 〔語源〕古代チャイナ、北方の塞(とりで)近くに占いの上手な老人(塞翁)が住んでいた。
 ご存知、「万事塞翁が馬」の故事(『淮南子』人間訓より)の老人である。

 「北叟(ほくそう)」とは「北方の老人」を意味で、「塞翁」のこと。
 「禍福いずれの場合も達観したように落ち着き払い、かつ喜ぶときにも(うれ)うときにも少し笑みをたたえた」
 と伝えられ、このことから、「北叟が微笑む」から「ほくそ笑む」という言葉が生まれた。


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