愛燦燦(あいさんさん) その2


    りーやん!たーやん!さあ、昨日の続きですよ~♪


       は~い!


     昨日から『愛燦燦』の詞について考えました。

  今日は、詞の構成について考えてみましょう。


  あっ、分かりますよ~

  各小節の出だしが「あめ さんさん」「かぜ さんざん」「あい さんさん」で「さんさん」で揃えてる。

  その上、「
A ME」「KA ZE」「A I」で、頭韻(とういん)が同じ「A」。

  更に、文字数がほぼ揃えてある。


     りーやん、流石、音楽に詳しいなあ。


    その通り、だから聴き心地が良いんですね。

  この作り方は、漢詩にも通じます。

  漢詩は、読んで良し、耳で聴いて良しなんですね。




 【歌詞】     <>内の数字は、平仮名にした文字数

 『愛燦燦(あいさんさん)

 作詞・作曲:小椋佳
 歌:美空ひばり


 雨 潸潸(さんさん)と この身に落ちて  <14>
 (わず)かばかりの運の悪さを (うら)んだりして  <21>

 人は哀しい 哀しいものですね  <16>

 それでも過去達は 優しく睫毛(まつげ)(いこ)う  <20>
 人生って 不思議なものですね  <15>


 風 散散(さんざん)と この身に荒れて  <14>
 思い通りにならない夢を (なく)したりして  <21>

 人はかよわい かよわいものですね  <16>

 それでも未来達は 人待ち顔して微笑(ほほえ)む  <22>
 人生って 嬉しいものですね  <15>


 愛 燦燦と この身に降って  <14>
 心(ひそ)かな(うれ)し涙を 流したりして  <21>

 人は可愛い 可愛いものですね  <16>

 ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う
 人生って 不思議なものですね

 ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む
 人生って 嬉しいものですね


 【語彙説明】


〇詞(し)と詩(し)の違いについて ・・・

  「詩」は読むために書かれる言葉のこと。すなわち、目から入り、脳に訴えかける。

  「詞」は歌うために書かれる言葉のこと。すなわち、歌うことで耳から入り、脳に訴えかける。


〇押韻(おう‐いん) ・・・

  同一音または類音をもって(いん)を踏む修辞法。
  語頭にあるものを頭韻、語尾にあるものを脚韻、
  母音のみの押韻、類音の一致を半諧音(はんかいいん)という。

  〔例文〕「韻を踏む」「頭韻を踏む」「脚韻を踏む」 


〇頭韻(とう‐いん) ・・・

  押韻法の一つ。詩歌・韻文などの句頭・語頭に、同一の音をもった語を繰り返して用いること。

〇脚韻(きゃく‐いん) ・・・

  押韻法の一つ。詩歌で、句末・行末に同音の語をおくこと。
  漢詩では一定の句末に同一の韻字を用い、西洋の詩では近接する行末に同一音ないし類似音をそろえる。


〇燦燦(さんさん) ・・・ 太陽などが明るく光り輝くさま。彩りなどの鮮やかで美しいさま。

〇潸潸(さんさん) ・・・ 1.涙をさめざめと流すさま。 2.雨の降るさま。


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