その3 第十五話
千原ジュニアが、お笑いコンビ『ロッチ』に『キングオブコント』でのネタについて訊いた。
〔()内のABCは、話を分かり易くするために、私が付けた。〕
千原「この間の『キングオブコント』。俺ずっと観とったけど。自分らが優勝するやろって思ってた。
なんであの(C)ネタ演ったん?他に良え(A)ネタあったやん。俺、全部知ってるからなぁ」
コカド「こいつが反対しよったんです」
中岡「あの(A)ネタは、ターゲットが狹いから、もう少しだけ広い(B)の方が
そしたら、こいつが嫌やって。ごっつう喧嘩になって、じゃあ(折衷案で)って(C)になったんですわ」
千原「そりゃ勝たれへんわ。(中岡へ)自分ネタ作るん?」
中岡「作りませんけど。僕、ごっつう意見を言います。」
コカド「凄い言ってくるんですわ」
千原「俺の相方のせいじ。
照明さんから小道具、大道具さんまで、皆、台本片手に打合せして、最後に(胸張って大手を振って)
台本見るの一番最後。『よっしゃあー!それで行こ!』そこからリハーサルや」
これを聞いた中岡。
「せいじさん、凄いなあ~」
と心底、感心。
『キングオブコント』で優勝出来なかった責任を悟ったか、猛反省。
「俺の所為や!俺が悪い!」
と、何度も叫びながら号泣!(笑)
あははは
でも、中岡の口出したくなる気持ち、大いに理解できるんですよね。
私が中岡でも、同じことをしている。
これには、背景があるんです。
昔、昭和55年に始った「漫才ブーム」の中、「
人気漫才コンビの「うんうん」「ほんまかいな」「アホか」など、決まり文句の相槌を打つだけの相方3人である。
「頷いているだけで能が無いのに、ギャラは折半」と馬鹿にされ
これが、ネタを作らない全ての相方にとって、屈辱となった。
だから、自尊心の強い者は、存在感を示そうと、自己主張する様になった。
この中岡の自己顕示欲も、ここに動機がある。
よく解ると思いません?
ところが、逆効果だったんですね。
面白いですねえ。
人生は、皮肉にできている。
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【解説】
『千原ジュニアのヘベレケ』の中での話。
第11回。平成27年(2015年)12月28日放映。
ゲスト出演者:ロッチ、中村静香、松尾雄治。
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MCの千原ジュニアが名古屋の居酒屋を実際に飲酒・飲食しつつゲストとトークする番組。
東海テレビの名古屋深夜ローカル枠に不定期放送されている。
お笑いコンビ『ロッチ』
中岡 創一・・・ボケ担当。立ち位置は向って右。
昭和52年(1977年)12月8日生(当時38歳)
コカド ケンタロウ・・・ツッコミ、ネタ作り担当。立ち位置は向って左。大阪NSC14期生。
昭和53年(1978年)8月8日生(当時37歳)
『キングオブコント』
TBSテレビが主催・運営するコントのコンテスト大会。
第8回(2015年7月6日~10月11日)の優勝者『コロコロチキチキペッパーズ』。
「頷きトリオ」・・・
昭和55年に始った「漫才ブーム」に結成したトリオ。
『紳助竜介』の竜介、『ツービート』のビートきよし、『B&B』の島田洋八の3人。