その84 さいちゃん 2024.03.06
当ホームページをご愛顧頂いている中に、埼玉県在住の「さいちゃん」と言う方がおられる。
さいちゃんは、当HPの練習問題の誤りをご指摘して下さっている。
先月までは2級問題を
本当に、感謝に堪えない。
有難うございます。
その指摘の中で、準1級の音読み問題で、「忌引」があった。
基本的に過去の試験問題から作成しているのだが、「忌引」は私が穴埋めで挿入した練習問題。
さいちゃんから「忌引」は重箱読みでは?
と、優しく鋭いご指摘。
ギャー!!
早速、問題文の差し換え。
それよりもガッカリしたのが、今の今まで、検定試験に重箱読みの出題欄が無いことに、気付かなかった。
ギャーッ!!
呆れるでしょう?
さいちゃんのご指摘は続く。
準1級 音読み問題7に「簑(蓑)笠」として出題していたのだが、「簑」は、1級漢字ですよ、「蓑」だけで良いのでは?
と、ご指摘下さる。
ご指摘頂いた事柄は、全く支障ないのだが、
私は何で「蓑」と「簑」が存在するのか?
に、
はあ?今更?
である。
例えば、「体」と「體」、「当」と「當」、は解る。
前者は、筆記の略字。後者は正字である。
前者は、日本で作られた。
しかし、「蓑」と「簑」は理解できない。
図書館に通って調べること2日。
一応、納得することにした。
これは昔のチャイナでの話。
「蓑」は元々から存在したのだが、「蓑笠」という熟語を書いた際に、見映えが悪い。
それで草冠を竹冠に変えて、新しく「簑」を作ったらしいのだ。
「蓑笠」より「簑笠」の方が、美しいと言う観点。
なるほど~
と、一応納得したのだが・・・
「簑」一つに統一すりゃあ良かろうに・・・。これじゃあ、同じ意味の漢字が増えるわけだ(笑)
残念だが、その出典を私の力では見付けられなかった。
【追記】
『説文解字』の訓読本にも目を通したが、無い。
全十五篇ある筈なのだが、訓読本は、第六篇までしか編纂されていない。
第八篇に載っているらしいのだが・・・
【語彙説明】
○重箱(じゅうばこ)読み ・・・ 湯桶(ゆとう)読みとも言う。音読みと訓読みを混用した熟語のこと。「重」は音読みの「じゅう」、「箱」は訓読みの「ばこ」。
○『説文解字』(せつもんかいじ)と称するチャイナの書籍。略して『説文』(せつもん)とも呼ぶ。
現存最古の部首別漢字字典。序文一篇を合せて全十五篇、全十五巻。
チャイナ文字学の基本的文献だそうで、どこを読んでもベタ褒めされている。
後漢の
当時の九千余字の漢字を部首別に配列し、
【プロフィール】
○許 慎(きょ しん、西暦58~147年?)
後漢時代の儒学者・文字学者。
『後漢書』儒林伝によると、姓は許、名は慎、字は
許沖の父。『説文解字』の作者として知られる。
汝南郡召陵県の人。経書をひろく学び、
古文経学の大家の一人。世に「五経無双の許叔重」と称せられた。