ちょっと一服  その43 お~い!友よ!        



 私は、妻と、七日に一度、喧嘩をしている。

 先月は、ああ、もう離婚だな、と、決心した。

 いや、私ではなく・・・

 決心したのは、妻である。(笑)

 そう、推測した。


 絶望して、三下り半を突きつけられる前に、居直った私は、

 「いつでもいいからな!俺は!」

 と、捨て台詞を吐いた。


 しかし、一時間後にはメールで謝った。

 四十代の頃は、謝らなかった。

 それを乗り越えたのは、流石、六十代の私だ!

 エヘン!


 妻が、

 「ああ!こんな男と結婚するんじゃなかった!!」

 と嘆いて、初恋の男(ひと)を思い浮かべているんじゃあないか・・・

 そう思うと、腹が立つのではなく、申し訳なく思う。

 ごめんよ!!

 もう老い先短いけど、必ず、報いるから!!


 これと、同じ後悔を、友にする。

 「ああ!あんな男と友達になるんじゃなかった!」

 と、悔やんでいる顔を思い浮かべる。


 本当に、謝りたい。

 しかし、謝るのなんか、嫌だ!!!

 絶対!嫌だ!


 友は、不治の病だから、静かに、黙って、去ると宣言する。

 そんな~

 俺だって、そんな遠い先じゃあないんだぜ。


 友よ!

 俺に猶予をくれ!

 きっと!

 後悔を取り戻すから・・・

 きっと!!

 だから・・・色んな・・・時間をくれないか?


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