ちょっと一服  その28 「電線音頭♪」      



「電線音頭♪」をご存知だろうか。

五十歳以上の方しか知らないか。

夜の八時に全国の茶の間を爆笑の渦に巻き込んだ。

小松政夫が司会者役で、伊東四朗が派手な恰好をして炬燵(こたつ)の上で踊る。


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単純な歌詞なのだが、可笑しくて可笑しくて、笑い転げた。

何が一体全体可笑しいのか、よく解らなかった。

私の親戚(しんせき)の叔母さんなんか、余りの可笑しさに、お腹が痛くて表へ出て、人目を(はばか)らず大声で笑っていた。

今でも鮮明に憶えている。


ところが・・・

一ケ月もすると、何故か、面白くなくなった。

不思議である。

番組を観るのも辛くなった。

お笑いとは、残酷である。

「飽きた」と言えば簡単だが、そんな単純じゃあない気がする。


【解説】

「電線音頭♪」

 バラエティ番組『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』(昭和51年~53年、NET〔現・テレビ朝日〕の中で、
 伊東四朗、小松政夫らにより、空前のヒットとなった歌。

 これは元々は『ドカンと一発60分!』内で歌われていたもの。
 考案者は司会を務め、電線音頭も歌っていた桂三枝(現・六代目桂文枝)。好評だったため、後番組の『みごろ!-』に
 引き継がれ、伊東と小松により子供向けにアレンジされて「デンセンマンの電線音頭」として空前のヒットとなった。

 歌詞中に出てくる「それを猟師が鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ」のフレーズは
 熊本の手鞠歌「あんたがたどこさ」の一節である。


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