ちょっと一服  その107  朋遠方より来る。その2            2025.5.22



 三十年間、年賀状で再会を語っていた先輩から喪中葉書を受け取って、「嗚呼!」と(ほぞ)()んだ。


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 その途端。幼馴染の顔が、数人、思い浮かんだ。

 と、前回、書いた。


 急遽、田舎へ帰り、幼馴染の二人M君とO君に再会したが、現在住む処にも一人居た。

 四十年前に世話になったH君夫婦だ。


 住んでいる筈の家を(たず)ねたら、表札が()がれていた。

 実はこの家、H君のお兄さんの家だったのだ。

 な~んだ、そうだったのかあ~

 じゃあ、お兄さんに一旦会おう!

 隣の家の人に(たず)ねたら、某所へ引っ越したとのこと。

 詳しい住所は分からなかったから、お兄さんが営んでいる酒屋を探すことにした。


 ところが、酒屋は閉店していた!

 ギャーッ!!


 時の流れとは、なんと(むご)いことかっ!

 愕然!!


 


 しかし!!

 偶々(たまたま)通り掛ったお婆ちゃんに(たず)ねたら、教えてくれた。


 近くに「長女さん」が住んでいるとのこと。

 一区画から二区画を探し廻りましたね~

 でも、H家の表札は無かった。


 まあ、そりゃそうか。嫁いでるもんねえ~


 時間にして約二十分は探したと思う。

 途方に暮れて元の酒屋近くに着くと、(くだん)のお婆ちゃんが居て、「ここ!ここ!」と一軒の新築一戸建てに案内してくれた。


  


 あははは

 このお婆ちゃん、否、女神に出遭わなかったら、今でも探し廻っていたに違いない。♪♪


 「長女さん」に聞いて、H君夫婦の消息が分かった。

 なんと、今は東京に住んでいるとのこと。

 うっそ~!!


 【追記】

 長女さんは、嫁いでますから、苗字が変わっている。

 H家の表札を探しても有る筈ない。

 いえ、いえ、私は夫婦別姓に反対ですよ(笑)

 あの教えてくれたお婆ちゃん、もう一度遭ったら、抱き着いてお礼しなきゃあ。

 あははは

 嫌がられるかあ~


 << その3に続く >>


【故事諺の説明】

 「朋有(ともあ)り、遠方(えんぽう)より()たる。(また)(たの)しからずや」


 〔口語訳〕 友人が遠方から尋ねてくる。なんと楽しいことではあるまいか。

 〔意味〕 遠いところから訪ねて来た親友と酒を酌み交わし、歓談するのは人生の大きな楽しみである。

 〔訓読〕 朋有り、遠方より来たる。亦楽しからずや。

 〔原文〕 有朋自遠方来。不亦楽乎。

 〔出典〕 『論語』「学而編」


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