ちょっと一服  その105  読書百遍意自ら通ず             2025.5.19



 「読書百遍、意自(いおのず)から通ず」と言う。

 最近、()()みと痛感する。

 「な~に、お前が無知なだけじゃあないかっ!」

 って揶揄(やゆ)されそうだ。

 でも、ね。

 図書館の司書の方に相談し、頑張って調べて貰っても、判明しなかったことが、多々あるんですよ。

 それが、二ヶ月後、三ヶ月後に、ハッと(ひらめ)くことがあるんです。


 


 サスペンス・ドラマで、主人公の刑事が、妻の何気ない言葉で、ハッと閃く、あの瞬間に似ている。

 あははは


 


 偉そうなことを言うようですが、本当に、そんな経験を最近、一週間に一度しているんです。

 楽しい!

 そう!

 一週間に一つ、不明の言葉が解けるんです。

 これって、随分、早くなったんですよ。

 なぜ解ける様になったか、と、言うと、何となくコツが(つか)めた、気がするんです。



 具体的に説明すると、な~んだ!そんなことか!

 と、馬鹿にされそうなんですが・・・


 例えば、

 「コノ地原ハ仙台ノ支族伊達安芸ノ居所ニ係ル」って文章があって、

 この中の「地原」という熟語をいくら調べても載っていない。それが昨年の11月下旬。


 これが先日、ハッと閃いた。

 「コノ地、原ハ、仙台ノ、支族、伊達安芸ノ、居所ニ、係ル」

 と、区切ると・・・


 


 あっ!読める!

 「コノ地、原ハ」 を 「コノち、はらハ」 ではなく 「コノち、もとハ」 と!

 そ~かあ!

 原には、原っぱの意味だけじゃあなく、「 もと。おこり。みなもと。根本」の意味もあった。

 約六ヶ月経って、やっと気付いた。

 嬉し~い!!


 誰かに話すと、恥しいですから、もう二度と口にしませんが・・・(笑)

 いいんです。

 自己満足の世界で!

 自分は自分!

 あははは


【出典】

 「コノ地原ハ仙台ノ支族伊達安芸ノ居所ニ係ル」

 『下谷叢話』 永井荷風・著 岩波文庫 2000年9月14日発行 230頁 1行目


【故事諺の説明】

 「読書百遍、意自から通ず」

 〔読み〕どくしょひゃっぺん、い おのず から つうず

 〔意味〕

 意味の難しい文章でも、何度も読むことで自然に理解できるということ。

 「百遍」は百回行うということから、何度も行うことのたとえ。

 チャイナの三国時代、()薫遇(とうぐう)が読書の大切さを弟子に説いた故事から。


〔出典〕『三国志』「魏志・王粛伝・注」


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