えっ?ひょっとして私だけ?


 第3話 孫に指導される



 小学2年生の孫が、家の鍵を持つことになった。

 私は、紛失することを(うれ)えた。

 考えているうちに、段々腹が立ってきて ・ ・ ・

 少し強めの口調で、紛失しないように注意した。


 ところが、それから半年のうちに、

 ランニングコースで、私は、三度、家の鍵を落とした。

 ギャーッ!!

 三度ですよ!三度!

 その都度、1時間以上探し歩いて、幸運にも三度とも、見付かったのだが、

 面目丸潰れ!

 流石(さすが)に三度目は、自分自身に(あき)れて、茫然自失(ぼうぜんじしつ)とした。


 しかし、孫は、

 「お祖父(じい)ちゃん、鍵に紐付けてバッグと結んだら良いねん

 と、自分がそうしているのを見せながら、優しい口調で。

 教えてくれた。

 なるほど~


 私は、早速、孫の指導に従った。

 はははは

 情けない!


 ねえ、御同輩、ご経験あるでしょう?


 えっ!?
 ひょっとして、私だけ!?



【教訓】

 御同輩!ここで教訓です!

 「老いては子に従え! ・ ・ ・ 否、孫に従え!」

 はははは


 次へ  前へ   索引     TOP-s