劉邦は英雄か? その4  第十六話


劉邦(りゅうほう)は、イケメンでなく、どちらかと言うとブ男だったのではないか、と思う。

だから、男に好かれた。(笑)


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彼には、数々の逸話(いつわ)が残っている。


劉邦は、酒好きで、亭長(ていちょう)の職にあったが、まともに仕事をしていなかった。

独身で毎夕、居酒屋に()(びた)っていた。

しかし、毎日()んでいるから金が無くなって()(だい)を払えなくなる。

当然、追い出される。

ところが、彼が来なくなると他の客も来なくなった。

彼が(はい)る居酒屋は、人が集まり満席となる。


恐らく話が面白かったのであろう。

大法螺(おおぼら)吹きで、いい加減な性格なのだが、嫌味が無かった。

不思議に皆から好かれた。


そのうち、どこの店も劉邦に呑み代を請求しなくなった。

そりゃそうだ。

芸人を安い金で雇っているのと同じだからだ。


ある日、劉邦は亭長(ていちょう)の任で、人夫を引き連れて咸陽(かんよう)(秦の都)へ向かっていた。

しかし、(しん)の過酷な労働と刑罰を知っていた人夫たちは次々と逃亡。

彼はいい加減な引率だから、人夫たちは逃亡し易い。

当然、その引率者(いんそつしゃ)である亭長が責任を取らされる。

自棄(やけ)になった劉邦は浴びるように酒を飲んで、勢い残った全ての人夫も逃がした。

そして、自分も一緒に逃げた。

あっははは


ところが、後々、劉邦を慕って人が集まるのだ。

わっ~おっ!


【解説】

劉邦(りゅう ほう)・・・前漢の初代皇帝。字は季。

  正式には廟号(びょうごう)太祖(たいそ)諡号(しごう)高皇帝(こうこうてい)であるが、通常は高祖(こうそ)と呼ばれることが多い。

  諡号(しごう)・・・貴人・僧侶などに、その死後、生前の行いを尊んで贈る名。贈り名。

  廟号(びょうごう)・・・皇帝や王が死亡した後に、先祖を祭るための廟に載せるための名前のこと。
              諡号との違いは、諡号が子孫が先代に対してある種の評価を交えているのに対して、
              廟号は歴代の先祖の列に並ぶための号である。

亭長(ていちょう)・・・警察分署長。

  劉邦は、沛東(はいとう)に位置する泗水(しすい)の亭長だった。



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