ちょっと一服  その20 「あっ!走れた!」        



「運動不足」と聞いて憂鬱(ゆううつ)になるのは、御同輩!

貴方もでしょう?

ははは


私の運動不足を指摘する人は、

ギックリ腰になったときの整体の先生。

次に、健康診断で、血圧と尿酸値が高いと赤信号の検査結果が出たときの医師。


若い人なら、「走りゃいいじゃあないか」と、鰾膠(にべ)も無いだろう。

ところが、60歳を超えると、そう簡単じゃない。

中年女性のダイエットもそうでしょう?

難しいのである。


私の場合、走れない。

300mも走ると、脹脛(ふくらはぎ)途轍(とてつ)もなく痛くなり、歩くのさえ困難になるのである。


私は、ウォーキングをしようと試みたが、続かない。

そこで、思いついたのが、チラシ配りのアルバイト。

チラシ配りは、日によって10km以上を歩き、130段の階段を登るのである。


そして、半年後の健康診断。

よ~し、改善されただろうと、(いさ)んで受診したが・・・なんと!

(むし)ろ数値は悪化していた。

ギャーッ!


今年初め、チャイナ武漢ウィルスの所為(せい)で、チラシの仕事が激減。

アルバイトを辞めて、近くの公園を歩くことにした。

   この公園は、溜池を囲むような形になっており、1周1.6km。

   100m毎に標識が立ててある。

   自宅から公園までが片道800m。

   公園を1周して自宅まで往復すると、計3.2kmである。

雨の日以外、毎日、1周した。


公園では、私同様に走れないご老人は結構いる。

だが、その横を、中学生だろうか、サッカー部の連中が、ザッザッ、と走り抜いていく。

あ~あ、私もあの頃は、走るのが好きだったんだがなあ。

なんて、50年前の自分を想う。


そんな気持ちを()()りながら、歩き始めて数か月。

先日、思い切って、トボトボと走ってみた。

あっ!走れた!

脹脛(ふくらはぎ)が痛くない!


走れたとは言え、200mを走って200mを歩く。

この繰り返しで走るのが、私にとって最善手(さいぜんて)

よって、1周1.6kmのうち800mを走る。


最近では、池の周りを2周して、半分以上の2.4kmを走る。

自宅からの往復でも600mを走る。

要するに、計5kmのうち3kmを走れるようになった!!

ヤッホー!!


御同輩!

30m走って、70m歩いても構わないから、兎に角(と かく)、走りましょう!


【語彙説明】

 鰾膠も無い(にべもない)・・・愛想がない。取り付く島もない。<詳細>


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