その1
今回の「漢字とは何か」は、中国語学者の高島俊男先生の『漢字と日本人』を参照させて頂きました。
その中で、高島先生が触れておられるので、漢字の話の前に、少し説明しておきます。
戦前、日本では今の中国を「支那(しな)」と呼んでいました。
しかし、戦後「中華人民共和国」略して「中国」と呼ぶようになった。
これは、中国政府が「『支那』は日本が植民地化していた時代の蔑称である」として「中国」と改めるように苦情を申し立てたのである。
しかし、この理由は真っ赤な嘘。
真意は、中華思想にあります。
中華思想とは、「世界は中国を頂点とし、他の国は
元々「支那」と言う呼称はインドが「シーナ」と呼んでいたのを漢字にしただけなのです。
欧米は「China」を「チャイナ」と発音した。フランスでは「シーナ」。
当然、欧米国家にも、呼称を改める様に申し入れただろう、と思うが、案の定、取り合わない。
決して、悪い呼び名ではなく、寧ろ「中国」と呼ぶ方が、不適当である。
と、高島先生は仰っています。
従って、このサイトでは、「中国」と書かず「チャイナ」と書くことにします。
これは、私見ですが、本当のところチャイナの国名は、漢民族の「漢国」とすべきなんじゃないか、と思います。
国語を「漢語」と呼んでいる。「中国語」と呼んでいるのは日本だけ。
文字も「漢字」と呼んでいる。
だから、極々しぜんに考えれば国名は「漢国」ではないか。
「かんこく」は韓国と重なるから混乱すると心配する方も居られるかも知れない。
欧米では、北朝鮮はNorthKorea、韓国はSouthKoreaと呼んでいるのだから、日本でも「南朝鮮」と呼べば、
重複することもないし、混乱することもありません。
とまあ、ちょっと横道に
日本で「漢字」と言えば、「日本語の中の漢字」を指します。
漢字は、チャイナで発明された文字で、日本、台湾、ベトナム、韓国などで使用されています。
註:近年、韓国政府は北朝鮮に同調して漢字を廃止する愚策を行いました。
しかし、日本を始め他国は輸入した後、元々の国語に合せ、工夫を加えています。
チャイナ自体も、大きな国土の為、各地に方言があり、発音も字体も意味も異なっていました。
また、時代を経るに従い変化しています。
註:現在でも北京語と上海語が大きく異なるどころか、地方に行くとこの二語も通じない。
当然ながら日本で「漢字」と一口に言っても、チャイナとも他国とも異なります。
日本の国語の中の「日本独自の漢字」なんですね。
【解説】