その1
楽器の分類呼称を調べてみて、非常に理解し難いことを知り、あらためて、調べたので書くことにした。
私は、音楽については素人なので、説明に誤謬があればご容赦願いたい。
日本の楽器分類は、西欧の旧分類に倣っており、「管楽器、弦楽器、打楽器」の3種類に分けている。
または、「鍵盤楽器、電子楽器」を加えて5種類で呼ぶ場合もあり、恣意的である。
例えば、ピアノを弦楽器に分類する場合と鍵盤楽器と分類する場合があり、曖昧である。
しかし、この分類の曖昧さは、日本だけでなく、世界的に悩んでいる(笑)問題であった。
〔現在の楽器分類法〕
現在、西欧では「ザックス=ホルンボステル分類」(1914年ドイツ)が一般的となっている様だ。
「体鳴楽器、膜鳴楽器、弦鳴楽器、気鳴楽器、電鳴楽器」の5つに分類される。
〔旧来の楽器分類法〕
西洋音楽あるいはオーケストラでは、伝統的に楽器を「管楽器、弦楽器、打楽器」に分け、
さらに「管楽器」を「木管楽器」と「金管楽器」に分類していた。
しかし、管楽器の「管」は楽器の形態による分類であり、
弦楽器の「弦」は音を出す振動体による分類であるし、
打楽器の「打」は奏法による分類である。
木管と金管は楽器の材質による分類である。
「鍵盤楽器」という分類もあるが、「鍵盤」は音を出すためのメカニズムの形態を表しているに過ぎない。
つまり旧来の楽器分類法は、一貫した分類基準に基づくものではないのである。
クルト・ザックスは
「これはちょうど、アメリカ人をカリフォルニアの人と銀行家とカトリック信者に分けるのと同じ」
であると
あははは。上手い!
日本語では、「Wind instrument」を「管楽器」と誤訳したことも原因となり、
「オカリナは管楽器ではない」
などと、誤った主張する者も散見される。
この様に、旧来の分類法は恣意的非論理的で、あらゆる楽器を体系的に分類する方法としては適していなかった。
そこで提唱されたのが、新しい分類法の「ザックス=ホルンボステル分類」(1914年ドイツ)である。
「楽器とは音を出すための道具である」という原点に立ち、「発音原理」を上位分類要素として
「体鳴楽器、膜鳴楽器、弦鳴楽器、気鳴楽器」の4つに大別し、さらに奏法と形状を下位分類要素として体系化したものである。
後に「電鳴楽器」が加わって5分類となった。