ちょっと一服  その35 孫の保育園参観   



孫が2人居る。

先日、下の孫の保育園の参観があった。

父親である息子が行けないので、代理である。


本当は、嫌だったのだが、前日に孫が、

「お祖父(じい)ちゃん、女の人ばっかりやで(笑)」

と、悪戯(いたずら)っぽい目で、私の表情を(うかが)うのである。


どういう意味かと云うと、

「お祖父ちゃん、若いお母さんばかり来るけど、恥ずかしくないか?泣いても知らんで(笑)」

と、揶揄(からか)っているのである。

あははは


これで、私は行く気になった。


孫には、母親が居ないのである。

2歳の時に出て行ったので、記憶がないのだ・・・多分。

孫は、自分にお母さんが居ないことを変に思っていないのである・・・多分。

これで、私は・・・助かった(笑)


私は、孫の参観にはもう二度と行かないと宣言していた。

何故(なぜ)なら、上の孫の参観の時、()りたからだ。


上の孫は、お母さんを憶えていたので、参観の日、自分だけお母さんが居ない状況を見て、大粒の涙を流した。

それを見た私は、孫以上に大粒の涙を流して、膝を抱えてしまったのである。


還暦ジジイが情けないでしょ!?

孫を勇気付けないといけないのにっ!!

もう!


眼鏡で隠れて周りに気付かれていないだろうと思っていたら、なんと隣の若いお母さんが突然立ち去って、

恐らく車に取りに行ったのだろう、ポケットティッシュを私にそっと渡してくれた。


情けない!!


それどころか、「有難う」と発声できなかった!

途端に、号泣しそうだったからだ。

余計に恥ずかしく、情けなくなってしまった。


こんな経験をしたので、参観には二度と行かないと宣言していたのだ。


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