(ぎしわじんでん)
『魏志倭人伝』は政治的意図に基づいて
岡田英弘氏が『日本人の誕生』〔平成6年〕で簡潔細緻に解明している。
『魏志』を著作した
当然のこと晋に不利な事実や記事は書かず、晋の
三国
司馬炎が建てた晋朝の、基礎を築いたのは、祖父の
『三国志演義』〔一五二二年〕第百四回に、「死せる諸葛〔孔明〕、
司馬懿の決定的な功績は、魏の
逃げるところを討ち、東北アジアを
その政治的効果を讃えるため、東北アジアを征服した司馬懿の威勢が、海の彼方にも及んだと誇大に描くべく、
知りもせぬ邪馬台国を捻りだした。
それもあまり遠くては意味がないので、思い切り南へ持ってゆき、敵国である呉の背後を
此処なら政治的に有効である。
『魏志』は司馬懿を
【出典】
『幸福通』~アラン「幸福論」の知恵~
著者:谷澤永一 発行社:海竜社 出版日:平成12年(2000年)7月1日 P.13~14
【語彙説明】
〇嘉納(かのう) ・・・ 1.人の箴言、意見などを喜んで聞き入れること。 2.進物などを喜んで受け納めること。
〇頌(しょう)する ・・・ 文章や言葉で人の功績などをほめたたえる。 類義語:賞(しょう)する。賛(さん)する。
【プロフィール】
〇陳 寿(陳壽、ちん じゅ)
建興11年(233年)~ 元康7年(297年)、64歳没。
チャイナの三国時代の蜀漢と西晋に仕えた官僚。字は
『三国志』の著者として知られる。
陳寿は儒学と史学を修め、蜀漢に仕えた。
蜀漢滅亡後、西晋に仕えた。
晋による三国統一がなされた後、『三国志』を完成させた。
〇岡田英弘(おかだ ひでひろ)
昭和6年(1931年)1月24日~平成29年(2017年)5月25日。86歳没。
日本の東洋史学者。東京外国語大学名誉教授。学位:東京大学大学院博士課程。東洋文庫専任研究員。
専攻は満州史・モンゴル史であるが、チャイナ・日本史論についての著書もある。