『三略』 上略 (さんりゃく じょうりゃく)

  ~ 柔よく剛を制し、弱よく強を制す ~


【還暦ジジイの説明】






 『三略』 上略


【現代口語訳】


 軍事についての最高の指針ともいうべき『軍讖』のなかに、

 「柔よく剛を制し、弱よく強を制す」

 という一節がある。

 そういえば、柔軟なものにはいろいろな効用があるが、生硬なものはとかく災いのもとになりやすい。

 弱者は人に助けられることが多いが、強者は攻められることが少なくない。

 また、柔には利益を生む可能性がある、剛にはむしろ損失を招くおそれがある。

 同様に、弱には物の役に立つ性質があるが、強¥にはぶちこわす性質がないではない。

 しかし、だからといって、絶対的な意味で柔と弱だけで成り立っているような事物は、どこにも存在しない。

 柔あれば剛あり、弱あれば強ありというのが、存在の真相である。

 




【読み下し文】


 



【原文】





【語彙説明】




【訳者プロフィール】

 真鍋呉夫(まなべ くれお)

 大正九年生れ。福岡生れ。文化学院文学部中退。

 同人誌「こころ」を阿川弘之・島尾敏雄・那珂太郎らと創刊。

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【出典 参照】

 中国古典兵法書 『三略』  解説と訳・真鍋呉夫  教育社  昭和62年(1987年)6月20日発行

 原典: テキストは明の劉寅が著した『七書直解』を定本とし、他に諸家の註本を参照した。



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