包承す。小人は吉。大人は否にして亨る。   『易経』


 【読み】ほうしょうす。しょうじんは きち。たいじんは ひにして とおる。


 【原文】


 通称:「天地否」

 六二。 包承。小人吉。大人否、亨。大人否亨、不亂群也。


 【書き下し文】


 通称:「天地否(てんちひ)

 六二。 ()くるところを(つつ)む。小人(しょうじん)(きち)大人(たいじん)()にして、(とお)る。


 【現代語訳】


 通称:「天地否(てんちひ)


 受けたものを包むこと。愚物にとっては吉。ひとかどの人物にとってはよろしくないが、行動に差し支えは無い。


 【意訳】


 天と地が背きあう。


 弱者は、優れた者がやってくるので、それに包み込まれて救われる。

 (逆に、)強者は、包容されるのを拒むことで、自分の道が守れる。


【解説】

 この二爻は、素直ですが力が弱い者を表す。

 そこへ、包容してくれる優れた者がやってくるので、それに包み込まれて救われる。

 しかしもし、自身が強く優れた者であるならば、今現在は思い通りになっていないからといって、

 安易に包容され、流されるというのでは自分自身の道を曲げることになってしまう。

 強く優れた者ならば、あえて包容されるのを拒むことで、自分の道が守れる、と言っている。


 



 【出典】 『易経(周易)』 六十四卦の第12番目の卦。通称:「天地否」


 【出題】 漢検 準1級


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