漢詩とは何か  ~ 平仄の規則 ~


  漢字はもともとチャイナの文字で、日本語とは異なる独特の発音があります。

 そして、漢字は一字ごとに、中心の母音の箇所が上ったり、下ったりする「声調(せいちょう)」があります。


  声調は五世紀ごろ、古代インドの仏典を翻訳する過程で自覚され、四つに分類されました。

 それは、1.平声(ひょうしょう)、2.上声(じょうしょう)、3.去声(きょしょう)、4.入声(にっしょう)で、これを「四声(しせい)」と言います。

 この「四声」のうちの1.平声を「(ひょう)」と呼び、それ以外の2.上声 3.去声 4.入声の三つを「仄」と呼びます。

 この平と仄の二つの配合によって詩の規則が作られました。


  もともと漢詩は、漢字の発音上の特色から音楽性がありましたが、四声の自覚によって音楽性がある理由が平仄・押韻であることが認識され、今度は音楽性のある詩を作るために平仄・押韻の規則が定められていったのです。


  詩は「うた」とも読み、特に漢詩は「歌」だったとイメージした方が良いと思います。

 従って、漢詩は心地よいリズムが生れることを大切にして作詩しています。



 ◇前述の四声をまとめ、と、それぞれの音の特徴

  平声 ・・・ 低くて平らな調子  →  平

  上声 ・・・ 低音から高音へとのぼる調子  →  仄

  去声 ・・・ 高音から低音へとさがる調子  →  仄

  入声 ・・・ つまる調子  →  仄



【解説】








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