ちょっと一服  その67 お金を拾いました                 2022.04.17



お店のレジに並ぶと、財布の中を手探りする年寄りに、ちょっとイライラさせられる経験は誰しもあると思う。

プリペイド式のカードで清算をしてくれる人が前だと、頭も性格も良い人に見えてしまうから私も単純だ。


昨日、このカードに入金する機械の下に、銀行の封筒が落ちていた。

どうも一万円札が二三枚入っている感じだ。


あっ!どうしよう!?

(キョロキョロ)駄目だ!駄目だ!

う~ん・・・

えい!やっ!

案内係の女性店員に渡した。



すると、背後から声がする。

「おい!手前(てめえ)!今、懐にしようとしたな!?」

(ドキッ)えっ!?いや、そんなことは・・・

「嘘つけ!(ふて)え野郎だ!この平次の、否、神の眼を誤魔化そうたって、そうは行かねえぞ!」

店の人に渡したじゃあないですか・・・

「ふん!迷ってたじゃねえか!他人(ひと)の眼を探してただろ!」

はあ・・・

「迷ってた間、手(てめえ)は泥棒と一緒なんだよ」

でも、親分 ・・・ いや、神様、私だって、お金が十分あれば・・・

「なんだと?銭が十分にあれば?なに言ってやんでえ!バカヤロー!

裕福だろうが、貧乏だろうが、他人(ひと)様の物は他人(ひと)様の物!()っちゃあならねえんだよ!」

すみません(涙)

「まあ、今回(こんけえ)のところは大目に見てやる。二度と迷うんじゃねえぞ!」


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【追記】

最近、『銭形平次捕物控』を読んでいる影響か、神様が平次そっくりの江戸っ子弁となった。

ははは

私の友人に、こんな時、迷わない男が居るんですよね~

本当に、尊敬に値します。

病気療養中なんですが、なんとか恢復(かいふく)するよう祈るばかりです。

神様も平次の真似なんかしてないで、早く治してくれないかなあ



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