ちょっと一服  その14 「猛省へん!」        



私の父は(ひど)い男でした。

80歳を超えてからの話です。

母がパートでコツコツと貯めた、なけなしの老後のお金1000万円を、不動産投機で失い。

その上、詐欺(さぎ)と分かり切ってる相手に100万円以上振り込んだ。

詐欺の相手は、日に何度も電話を掛けてくる。

電話番号を変えても不思議に掛かってくる。

何故なら父の方から電話していたから。あはは


私も母に加勢して、散々、父を(なじ)った。

弁護士、消費者相談室、警察に連れて行って相談しましたが、全く効果なし。

警察は、相手が東京在住なので管轄外。

取り扱い事件にすらしてくれなかった。

結局、「お父さん!息子さんの言う通りにして下さい」と(さと)すだけ。

そんな父も、数年前、亡くなりました。


ところが。

父を非難した私も、株式投資で妻の大事な金を使い果たしてしまった。

「お父さんと一緒やん!」と毒づかれた。


なんとか取り返そうと頑張ったが、馬鹿の考えることは世界共通。

墓穴を深めただけ。

ここに至って、やっと親父(おやじ)の思考や気持ちが解った。

蛙の子は蛙・・・でした。

猛省へん!(もう二度としません!)

と妻に謝ったが、(ゆる)してくれるはずもない。



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